茸狩いつまでも雲居座れる  小野あらた

いつまでも頭上に居座る、ぽっかりとした雲が、茸のかさのようで楽しい。いわし雲のように薄く流れてゆく印象が強い秋の雲の中で、このいつまでも居座る雲の質感が、ちょっと珍しくて心に残る。だから何、といわれたら困るが、妙に気になる、というタイプの句。

「群青」2015年12月号より。