メールする蔦の芽のやわらかきこと  神野紗希

 (「いつもの風」 2016-4)

 「遠さ」を内包して煌いていた世界ではなく、そのたまらなく愛しい距離を思う。「あたたかし毬藻の水を換えるとき」(スピカ「いつもの風」2016-4)もそうだ。詠まれていた。世界の煌きを遠くへ発信している。