水浴びの飛沫いくつも口の中 江渡華子

 昨年、江渡華子さん(会ったこともないくせに、馴れなれしいが「紗希さん」ではじめたので、もうこれで行くしかないのです。仕方ないのです。) は、第二句集『笑ふ』を上梓された。『群青』2016年4月号の句集評のコーナーで、青木ともじ君が取り上げていて、季語の種類を分析していた。「生活の季語が一番多く、次に植物の季語が多い。」「乱暴な言い方をすれば、生活密着型季語をどう利用して相手との関係を表現するかに魅力を見出している。」といったところだ。
 水遊びのセオリーは、「水遊とはだんだんに濡れること 後藤比奈夫」で、この句も少しずつ濡れていく水遊びだろう。「口の中」は、飛沫の味というより、明るさが際立つ感じ。
(2015-5 歯形)