いつだったか、金木犀は10月1日を忘れずに咲く花だときいたことがある。それは、日にち程度にはずれることがあるが、大体咲く時期が決まっていることを言っていたのだろう。木犀の匂いはすぐに、それだと気付く強さがある。木犀が咲くたび、自分が約束したわけではないのに、自分との約束を守ってもらっている気がする。人の知らないその約束は、まるで密会のような雰囲気を持っている。
句集『さうぢやなくても』(私家版 2005年)より
いつだったか、金木犀は10月1日を忘れずに咲く花だときいたことがある。それは、日にち程度にはずれることがあるが、大体咲く時期が決まっていることを言っていたのだろう。木犀の匂いはすぐに、それだと気付く強さがある。木犀が咲くたび、自分が約束したわけではないのに、自分との約束を守ってもらっている気がする。人の知らないその約束は、まるで密会のような雰囲気を持っている。
句集『さうぢやなくても』(私家版 2005年)より