「サニーサイドアップ」ということばの明るさに、ひざしがさっと入ってくる。胡椒が必要な朝食といえば、目玉焼きか、シーザーズサラダ、トーストの上のチーズにかけても良い。「涼しく」という季語が、「胡椒を」「ふんだんに」という語とおなじ軽さで句の中に挿入されている。窓から吹いてくる風の涼しさのみならず、朝からスマートな俺の涼しげな顔まで見えてくる。
昨日に引き続き、開成高校俳句部の部誌「紫雁」第9号(2011.9)からひいた。開成高校は、中高一貫校のため、現役生の層も厚いが、卒業をしてからも俳句を続けるOBもたくさんいる。理由は、高校時代にどっぷりと俳句につかって味をしめたこと、卒業してからも母校での定期的な句会に参加できること、加えて首都圏内の大学に進学する生徒が多いため、学生俳句会など東京でのさまざまな句会に参加できることなどが挙げられるだろう。俳句甲子園に出場した高校生たちのほとんどが、進学・就職ののちに俳句をやめてしまうなかで、開成高校OBたちの存在感はたのもしい。
彼らは、現役時代に「高校生らしくない俳句」というレッテルを貼られ、大会におけるヒールの役割を担ってきた。だからだろうか、OBの俳人たちは、それぞれが、自分らしさとは何かということを、強く意識しているように思える。
以下、OBの作品からいくつか。
雨風のあとは光や秋桜 山口優夢
蚊を打つてステーキに血の滲みをり 平井猛博
けふもまたへんな天気の菌かな 村越敦
猫と入道雲いつのまにか昼 福田若之
サイダーの氷の穴に残りをり 小野あらた