じいちゃん死ぬな死ぬなよ麦の秋  永山香月

口語による「じいちゃん」への必死の呼びかけが、切実にこだまする。麦の黄色は、黄泉の黄色か。「麦よ死は黄一色と思いこむ」(宇多喜代子)を思い出す。麦の秋の景色は、ときおり、死を連想させる。麦秋をかけぬけて、「じいちゃん」のところに、間に合ってほしい、こころの声が届いてほしい、私もそう切実にねがう。

永山さんは、愛媛県立松山北高校に在学。『第14回俳句甲子園公式作品集』(2011年11月1日、NPO法人俳句甲子園実行委員会 210円+送料等90円)より。この雑誌は、「俳句甲子園に発表されたすべての作品が読めるような本がほしい」との要望にこたえて、OBOGが主体となり編集したもの。私も、地方大会に提出された全国の高校生の俳句に全部目を通して、10句を選び、評を書いている。

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