毛布が「豹柄」であるあたりに、この母親の好みがすけてみえる。浜崎あゆみや倖田來未を聞いていそうだ。キティちゃんなんかも飾ってありそう。毛布の柄をいうことで、この母子のすべての生活がたちあがってくるのが面白い。もちろん、絹でくるんでも、豹柄の毛布で包んでも、赤子は赤子。ふくふくとしあわせそうに眠る、すべての子どもに幸あれ、という気分だ。
週刊俳句編『俳コレ』(邑書林・2011年12月)より。筑紫磐井氏のプロデュースにより、境涯作家としての色が濃く出た100句。作家性というのは、案外、読むという行為を快くしてくれるものだ、というのが、今回『俳コレ』を読んでのひとつの感想。
会社やめたしやめたしやめたし落花飛花
原稿料入りし夜の林檎むく
帰省子の味噌にうるさくなりにけり
寂しさや毛布を鼻に押し当てて
たこ焼きに熱き空洞啄木忌