向き合うてカナリヤ色の枇杷を剝く  林いづみ

枇杷の色をカナリヤにたとえたところが新鮮だった。たしかに、枇杷は、あたたかそうな色をしている。実は本当にカナリヤで、載せたてのひらのうえから一瞬で飛び立つのかもしれない。枇杷を手に載せたとき、なんとなく予感がして、そわそわしてくる。向き合って、というところに、カナリヤのあたたかさが、さらにいきてくるだろうか。

『幻月』(ふらんす堂、2012年1月)より。ほか、新鮮さに惹かれた句をいくつか。

桃畑の土やはらかや冬たんぽぽ
むらさきの風呂敷猫の子が二匹
梅雨空やズッキーニーの巨茎巨花