「くちなは」と「ふんころがし」が神さまとして崇められていたといえば、古代エジプトを思い出す。蛇は王家の墓を守る神、ふんころがしは太陽神の化身、だったはず。こうやって、「くちなはもふんころがしも」と並列させることで、日本の八百万神のようなひろやかな気分も生まれるから楽しい。「蛇」という夏の季語を、巧みに句の中に組み込んでいるあたりもニクい。
第一句集『木挽町』(角川書店、2011年12月)より。そのほか、惹かれた句。
ちりめんの袖が重たき鳥曇
古墳まで卯月曇の沼づたひ
館涼しミイラに訊いてみたきこと