犬抱けば犬のたましいあたたかし  三宅やよい

犬の形を通り越して、たましいを感じ取っている。たましいに温度があるのか、私はよくわからないけど、作者は犬を抱くことによって、こんなに暖かい生き物に入っているたましいが冷たいなんてありえないと思っているのだろう。犬には犬のたましいがあって、自分にもきっとたましいがあって、それぞれに温度があって、と、犬のたましいと同時に自分のたましいを意識してくる句だ。

詩客 4月20日号より。