母のゐる田植見てゐる裸足の子  岸本尚毅

田舎の夏、母が恋しくて見ている子供をさらに見ている作者の視線。友達と遊んでいる最中に、ふと母の田植えが目に入り、止まってしまったのかもしれない。近くで裸足で遊び、夏草の冷たさや田まわりの水のぬるさなどが、伝わってくるようだ。

『俳句 2012年9月号』(角川学芸出版)より。