山陰に人あり鹿を撃ちて食ぶ  金子兜太

人が狩りをするのは、やはりその狩った生き物を食べることが目的であることに改めて気づかされてはっとする。山陰に住む人にとっては、それが当たり前のことなのだろう。もしかしたら、人が訪ねてきておもてなしをしようと狩りにでかけたのかもしれない。人間の欲求というよりは、ただそれが日常であるというように淡々と描かれているのが面白い。

『俳句 第62巻第2号』(角川学芸出版 2013年1月号)より