「黒」という色からは不吉なものを連想するので、「何の」と言いつつ、「誕生日」=生誕のイメージとあいまって、死という着地点を思わざるを得ない。しかし、直接的に「黒蝶は死をつかさどる天使」と表現されると、読者としてはあんまり面白くないわけで、美しい蝶が舞う明るい誕生日の光景でありながら、そこにふと紛れ込むという程度に死のイメージがよぎるのが、リアルなのである。
『夜の桃』(昭和23年)より。
「黒」という色からは不吉なものを連想するので、「何の」と言いつつ、「誕生日」=生誕のイメージとあいまって、死という着地点を思わざるを得ない。しかし、直接的に「黒蝶は死をつかさどる天使」と表現されると、読者としてはあんまり面白くないわけで、美しい蝶が舞う明るい誕生日の光景でありながら、そこにふと紛れ込むという程度に死のイメージがよぎるのが、リアルなのである。
『夜の桃』(昭和23年)より。