「みちのくは底知れぬ国」という把握自体が非常に寒々と恐ろしいのであるが、その観念を「大熊生く」というかたちで具体に転じ、その「底知れなさ」をまざまざと突きつける迫力の一句となった。「大熊」をおやじと呼ぶみちのくの人の、風土と地続きの生活を思う。
高野ムツオの近作「底冷は京みちのくは底知れず」は、この句を下敷きにしているのだろう。
句集『瀬頭』より。明日、3月24日(日)は、宮城県は塩竈にて、第六回佐藤鬼房顕彰全国俳句大会が開催される。私も第一回からジュニアの選句・当日選句の選者としてお手伝いさせていただいている。当日は、全国でも珍しい公開選考会による当日投句の選句があるほか、「鬼房とみちのく」というテーマで行うシンポジウムにも登壇予定。愛媛出身の私にとっては、みちのくは本当に「底知れぬ国」であるけれども、さて鬼房にとっては、そして人にとって風土とは……そんな話を深められればと思う。