籐椅子とカナリアへ吹く沖の風  坊城俊樹

籐椅子と、籠のカナリア。夏の廊下の風景にカナリアの黄色がパッと鮮やか。籐椅子と海の取り合わせはお決まりだが、「沖の風」と風に転じて海そのものの気配を薄くし、間にカナリヤを挟んでもうひとつ異色のものを取り合わせたことで、類想を脱した。

第三句集『日月星辰』(飯塚書店・2013年2月)より。