浦戸諸島をめぐる渡船、甲板で海を見つめる少女。
寒風沢島に着くと、かもめが一羽、標識にとまっていた。
たんだ来てたんだ生ききる燕かな 山本優(茨城県立結城第二高校三年)
宝石はあなたにあげる冬銀河 法師人佑太(〃)
ゴーヤ食べ口を歪めて海望む 斎藤滉稀(群馬県立高崎商業高校)
もらい泣きじゃぐちのように卒業は 高橋さくら(塩竈市月見が丘小六年)
オコジョ見るまで湯たんぽとここにいる 中矢温(愛媛県松山市愛光中学三年)
こおりはね見ては見えないものなんだ 池田真平(石巻市大谷地小学四年)
春光の街を下水が流れている 佐藤廉(岩手県水沢高校三年)
麦の芽はせらせら伸びて列車来る 石塚春菜(岡山市就実高校一年)
(すべて、第八回佐藤鬼房顕彰全国俳句大会ジュニア部門の作品から)