ふきのとう、きみめみ、のことなど

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浦戸諸島、寒風沢島で見かけた、ふきのとう。
触れたらやわらかい。
とうが立って、あとはもう好きなように伸びるだけ。
心なしか、やすらかで、のびのびして見える。

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「俳壇」最新号(2015年4月号)出てます。
担当中の「本の庭」にて、

〇評論集『芭蕉の創作法と「おくのほそ道」』大輪靖宏著

〇句集『君に目があり見開かれ』佐藤文香著

〇句集?『笑う子規』正岡子規著 天野祐吉編

を取り上げました。

佐藤はこの句集で、新しい文体の模索を試みている。たとえば口語表現。
知らない町の吹雪のなかは知っている
風はもう冷たくない乾いてもいない
「知らない/知っている」「冷たくない/乾いてもいない」という、強い否定・肯定の表現が、文語における切れに近い役割を果たし、口語でありながら屹立した一句となった。(「君に目があり見開かれ」評より)

短い文章ですが、文体や技法について思うことに触れました。技巧的な攻めについて、多くを語りたくなる句集。

『君に目があり見開かれ』(港の人)

手紙即愛の時代の燕かな  佐藤文香

現実的イメージを介さない、言葉そのもののひびきあいによる、気分や疾走感の表出。