夕焼や膝に重たき手風琴
手風琴とはアコーディオンのことである。あのカーテンのような独特な形状、どことなく胸をしめつけるような響き、少年心を震わせる楽器だ。
僕は教育実習の際、小学校五年生の野外活動に参加させてもらった。普通は別の学年の担当にされるか、時期を変えるものだと聞いていたのだが、その小学校の校長先生の粋な計らいで、野外活動の準備から終了までが実習期間になった。
実習は自分の進路を決める重要なもので、そこで子ども達と過ごす楽しさや、先生としてどう関わっていけばいいのかを知ることができるし、就職してからもその時の子ども達が「初めての教え子」として特別な存在になる。中には今でも年賀状などのやりとりをしている子もいるくらいだ。実習に行く前に自信を無くして教員の路を諦めてしまう知り合いもいるが、子ども達から愛情や自信をもらって頑張れることは本当に多いので、実際に現場で子どもと関わった上で考えて欲しいなと思う。
その野外活動の終わりに、校長先生が得意とされていたアコーディオンを披露した。趣味は教育に幾らでも活かせば良いというような方で、特別支援に関わりたいと言えば支援学級の見学に行かせてくれたし、俳句をしていると言えば俳句の授業を任せてくれた。それがあるからこそ今、教育と俳句を両立させようという気持ちをもてている。夕日に輝いていたアコーディオンには、子どもや、僕たち教員への思いも詰まっていたのだろう。