関西の雪はどちらかといえば、べちゃべちゃ雪。ぎゅっと握ろうものなら硬めの何かが出来上がる代わりに一気に手袋が水浸しになる。長野の雪(とは言え、二回経験しただけ)はパウダースノー。まず手袋に張り付く。そしてぎゅっと握ってもほろほろ落ちる。
だから思わず、手袋を取り、素手で握る。冷たい。そして変な形。それをぽとんと雪の上に落とす。あ。戻らない。もう戻らないんだ。形あるものになったんだ。と思うと、なんだか自分が命を与えたようで嬉しくなる。冷たさに痛みながらも、命を生み出した手は、真っ赤に燃えていた。
2013.12.1「枕」