今年、角川学芸出版から、『季語別 鈴木真砂女全句集』が発売されました。これまではまとめて見ることのできなかった、真砂女の最後の句集『紫木 蓮』以後の発表作が、この季語別全句集の末尾に、収録されています。また、季語別で並べられることで、真砂女の愛した季語や、彼女の句の特徴が、新たに見えてきます。
spica編集の神野紗希・野口る理は、俳人・鈴木真砂女の店「卯波」でアルバイトをしています。また、もう一人の江渡華子も、2人がいることもあってか、よく飲みにきてくれます。
第1回の「きく」は、そんなわけで3人の共通点でもある、「卯波」の現店主でもあり、また鈴木真砂女の孫でもある、今田宗男さんにインタビューをさせてもらいました。
普段からも、宗男さんには真砂女さんのお話など聞かせてもらっていますが、改めてこうして真砂女さんのお孫さんとしてインタビューすることで、宗男さんが実際に真砂女さんのそばで見聞き感じたことを、まとめてきちんと残しておけたらと思っています。
「さはる」の「よみあう」と併せてお楽しみください。
また、この「きく」は、まとめて、冊子にする予定です。ウェブは特別版(主に資料編)として、お楽しみください。
●資料の山は宝の山にも似て
宗男(以下、「宗」) 手帳がさー、あんまりなくて。みんな母が持ってるのよ。こういう、ほら、おばあちゃんが殴り書きしたのとかはあるんだけど・・(ごそごそ)・・これとかいっぱい書いてあるかな。
は こういうの使ってたんだー!(普通の大学ノート)
さ 「我が蛍この渓流に放ちたし」
る 句集に載ってないよね。
さ そうだね。
は これ、なんて書いてあるんだろう。
る ちょっと解読が難しいね・・・。
宗 「すしや1、のみや6、スナック1、バー3、マージャン1、魚屋、パンヤ、碁会所」
る さすが、よくスラスラ読めるね!
さ これエッセイに書くために実際に路地で数えたんでしょうね。
る ここ「健康」「句作り」って思いっきり書いてますね。
は この「ヨコハマ」もだいぶ面白いけどね、なんでカタカナ。(笑)
宗 雑誌とかでさ、ほらよく、健康のエッセイ書けとかあったんじゃん。それでしょ。
る あ、ここにあるの「卯浪」の句じゃないですか!
は 「衣被」の句も書いてあるー。
さ 貴重なものだねぇ。
は これ締め切りとかも書いてるみたいだね。
さ 文章用とか、メモ帳とか、依頼用とかそういうノートなんだろうね。
●
宗 あ、これさー、俺が昔みてもらった四柱推命の紙なんだけどさ。見て見て、52、3歳が本命の結婚期。
一同 えーーー、これから?!?!
宗 マージでー♪
さ 今まで結婚してないんだからリアルだよね。
る ねぇねぇ、この動乱期って書いてあるの、いったん、前の「卯波」閉めた頃じゃない?
一同 ひゃーー、当たってんだね!!
●
宗 もうちょっとだそうか。手紙類とか写真とか・・・
一同 わーお!!
宗 いやっ、こんなもんじゃないんだけどさ、出し易いのから持ってきたんだよね。なにが入ってるかよく分かんないんだ。
さ きゃー、お宝探しー☆
は すごいねー!
さ あんまりぐちゃぐちゃにならないように気をつけなきゃね!
(つづく)
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