薄い街は濃い 後半

2010.12.10 沖積舎刊行
佐藤弓生歌集『薄い街』より

芝不器男俳句新人賞の選考会に行って嬉しかったのは、冨田拓也さんに会えた事。これから話が盛り上がりそうなところへ、冨田さん、人気者なので次々人が挨拶に来て、結局ちょこっとしかお話できなかったけど。

「君はねぇ、努力かやぁ」と言って下さったのが嬉しくて当分頑張れそうです。たまには外に出ると、良い事があります。冨田さんの関西弁とあと美味しそうに唐揚げを食べていらしたのだけはよく覚えています。

じゃ、佐藤弓生さんの歌集『薄い街』の続きから

ハーパー先生なんかきらいと言いあってあたまのわるい夏だった

大学生の頃、カナダ人の英会話の先生が意地悪で嫌いで嫌いで、すごく嫌いで、頭の悪い夏だった。

にちようび銀座に日傘ひるがえしもしもし? わたし? いま天国よ!

多分、お空の方のです。違うけど、いや、そうかも。

人がよく死ぬ八月を太陽にあたま抱かれて あるかなくては

昔葬儀屋に就職した先輩が「暑いと、死にます」と教えてくれたのが忘れられない。高知だったしね、暑い。

その中がそこはかとなくこわかったマッチの気配なきマッチ箱

マッチ箱ってお洒落だし、火が付くし、中暗いだろうし、確かにそこはかとなく怖い。

くるだろうゆめにわたしのぬけがらを挽きゆくための蟻五千匹

いっぱい来た!

吸えるだけ枯葉のかおり吸い込んでわたし、かなしみかたがたりない

前の仕事は辛く絶望的で、田んぼにパンフレット全部ばら撒いて捨てた事があります。人間嫌になると駄目になります。

蟹みたいみんなしってるかおつきのまるでしらないひとたちの街

蟹だったらとっても嫌でとっても怖い。蟹は可愛いから好きだけど。

まだ手に入る歌集ですので、引用しまくっても申し訳ないのでこの辺で。えと…、本屋で買って下さい。

じゃ

ばーい