なうなう①

2015.3.25 本阿弥書店刊行
『関西俳句なう』より。

実は大阪市生まれなんだけど、すぐに尾道へ引っ越したため何も覚えていない。実家にはタイガースの帽子をかぶってピースしている僕の写真があるけれど、記憶に無い。関西弁も話していたらしいけど記憶に無い。

ただ大人になり、やがておっさんになった今、大阪がなんだか懐かしい。

『関西俳句なう』と言う関西の作家のアンソロジーが出ました。アンソロジーが出るたびに久留島くんと、僕らはアンソロジれないけれど、良いんだと、僕らは一生友達さと言っていたのに、あっさりアンソロジった久留島くん。

入った人は褒められたり、けなされたり、色んなことがあるだろうし、入らなかった関西(西日本)の作家は、畜生、うらやましいぜと爆発してやる気を出すことでしょう。

「東京がなんぼのもんじゃ」って帯に書いてあるダサさ、「なう」ってタイトルで言ってしまっているダサさ。最初目にした時はギョッとしたけど、眺めていると、なんだかそのダサさもまた面白いじゃないかと思ってきました。

とにかく読んで行きましょう。

春の雷きみの名前はカロリーナ
加納綾子

イエス、わたしカロリーナ言います。

ハイヒール山に突き刺し夏に入る
加納綾子

山「痛っ」

玄関に蛇が出たからデート中止
加納綾子

中止決定。

春麗らかに縞馬の咀嚼せり
黒岩徳将

もぐもぐ感。

山笑ふ山に隠れてゐる山も
黒岩徳将

山又山ぽこぽこ。

神々が跳び箱を待つ立夏かな
黒岩徳将

神々のぴょんぴょん。

秋の水しづかに料理本を抱く
黒岩徳将

そんな、良い秋。

くしゃみする私も春の生態系
二木千里

ぶぇっくしゅう~ん。

ヤドカリのように引っ越しする元彼
二木千里

元彼よ、幸せに。

がらんどうとは助手席の獅子頭
三木基史

相棒は獅子頭。

行く春や踏まねば動かないミシン
三木基史

あったあったのそんなミシン。

鈴虫の鈴を取り合う姉妹かな
三木基史

あ、取れた。と言うことじゃない。この句綺麗で好きです。

菜種梅雨男は黙って風呂掃除
山本たくや

男は黙って、風呂とトイレ掃除、そしてゴミ捨て。

夏休み終わる!象に踏まれに行こう!
山本たくや

象が百人乗っても大丈夫。←アレとアレのCMね。

真夜中のパレード春の星をポップコーンに
山本たくや

そうだ、パレードに行こう。夢いっぱいで良い。

返り血を浴びて真白な梅の花
山本たくや

そして男は網走に。

日本酒のグラスに映す夏野かな
手嶋まりや

良い酒、実に良い酒。問題は家に帰れるか。

伸び縮みしてをる金魚の憂鬱
手嶋まりや

嫌んなったら伸び縮み。上下して、とかで無いところが良い。

おでん食っている東京の狭き夜
手嶋まりや

美味かったような、そうでもないような、思い出の、おでん。

今回はここまで

じゃ

ばーい