平成2.11.20 富士見書房刊行
俳句研究別冊 能村登四郎読本
昔飲み屋で、村上さんの33歳の誕生日を祝った時に村上さんは「サーティースリー歳になりました」と両方の指を三本づつ立てて楽しそうにしていたなぁと。八月は村上さんと僕の誕生月で、村上さん、何歳なりました?と聞いたら、36です、あなたは?あぁ僕、32になってしまいました。
いやー、早いですなー、とか何とか言ってましたが、10年後もまた、いやー、早いですなー、と同じようなことを言ってるんでしょうね。
いつ忙しくなったり、そのせいで気力が衰えてくるかもしれないので、読むつもりのあるものは体力のあるうち早めに読んでおきたいなと、そうは言ってもなかなか難しいんですけど。
さて、能村登四郎を読んでいこうと思います。まづは『咀嚼音』から。
『定本 咀嚼音』
くちびるを出て朝寒のこゑとなる
「会社には、行きたくない」
ぬばたまの黒飴さはに良寛忌
黒飴は子どもは嫌い、大人は好き。
雪といふほどもなきもの松過ぎに
たいしたものではござらん。
夜の菊積む書の中に家計簿も
重要なのは家計簿。
菊活けて学校がまねく狂言師
めでたいはありがたい。
枯芝に寝てこの時も師弟たり
ね。
綿虫に瞠くひとみ蒼むまで
蒼きひとみ。
同窓会に妻ゆかずをり冬椿
冬椿まで健気。
子とみれば雪ゆたかなる童話劇
夢いっぱい雪いっぱい。
妻のほかの黒髪知らず夜の梅
もちろんですとも。
薔薇の門家庭教師として潜る
薔薇の門って。紅茶と珈琲が出る。
新涼の大根おろし山なりに
もり。
初菊の一束はまづ吾子の師へ
そういうのをちゃんとします。
子にみやげなき秋の夜の肩ぐるま
子どもは居ないけど、子に土産を買ってあげたい、という願望はある。おじーさんになったら近所の子どもに飴をあげたい、という願望もある。
苗市に教へ子とその幼な妻
うむうむ、よしよし。
蟻地獄遠からずあり蟻はげむ
蟻さんの必死。
教へ子と机修理の槌さわやか
これは良い句。爽やかな思い出、こういうの、僕になかったなぁ。
たはやすく教師忘らる卒業後
教師のさみしさって良いなと。毎年笑って毎年泣くんでしょうね、そういうのはきっと良い先生。
じゃ
ばーい