登四郎どうしよう②

平成2.11.20 富士見書房刊行
俳句研究別冊 能村登四郎読本

行きたい行きたいと思っていた大阪の海遊館に行ってきました。

まだ32年しか生きていないのでこんなこと書くと叱られそうですが、年々驚いたり感動したりすることが少なくなってきていると思います。

たまには、でっけー!とか声を出して感動しなければいけないかなと。

ジンベイザメはすごかった。あの大きさ、あのかたち、すっごいなぁと。海遊館は大満足の水族館でした。

心が若干枯れてきたら、動物園か水族館に行くと、ワクワクした心を取り戻せると思います。ちなみに僕はすみだ水族館の年間パスポートを持っています。魚がね、大好きで。

さて、能村登四郎の続きを。「定本 合掌部落」はじっくり読みたいので、二回にわけて読みましょう。まづは前半。

「定本 合掌部落」

汗ばみて加賀強情の血ありけり

煌びやかなだけじゃない、加賀。

父の地の色に夕焼け加賀の国

夕焼けも合う加賀の国。

鏡の間秋の旅人としてうつる

秋は鏡も人も澄む。

射撃なき日の昼顔の夢見をり

平穏な、尊い。

砲音にをののき耐へし昼顔か

砲音と昼顔の昼。

能登瓦ばかりなりけり朝焼けて

だって、能登だもん。

駅員の一卓の百合海へ向き

今日も頑張ろうと思う。東京の駅員さんはとにかく疲れた顔をしていて心配になる。

露の終駅更に奥へと工夫たち

奥にはさらに奥がある。

かくれゆく旅のごとしや葛の谿

隠れ旅。

夏まけの妻子を棄てしごとき旅

心を鬼にして遊ぶ。

蟻老いて露ぬるるまで残りけり

晩年の露、蟻にも。

月光に珠のごとしや漬菜石

なんと清らかな。

教師歴三十年に雪ちらちらす

様々なことちらちらす。

シャワー浴ぶ体毛濡れて獣めき

男のシャワー。

旅へのうづき夜空は張りて七月へ

あぁ、旅をしたい。仕事もせず、俳句がしたい。

わかものの匂ひ燃えをりキャンプの火

匂い、いい方の。

朱線縦横吾子にまかせし登山地図

まかせた。

青梨一つ絶頂をきはめ得し吾子に

偉いぞ。

強力ののそりと昼寝より立てり

強力昼寝。

白川村夕霧すでに湖底めく

やがて幻となる村よ。

念力の鍛治の火はしる露の中

火と露。

古いなと思う句と登四郎ならではの美と。この句集は秀句だけでなくじっくり読むことで何かがわかりそうな気がします。次は「定本 合掌部落」の後半を。

じゃ

ばーい