小鳥来る

2015.11.1 マルコボ.コム発行
岡田一実句集『小鳥』より。

 

ドラマや映画を観て、まさか作りもので泣くわけないだろう、まさかまさか、と思っていたのは十代の話で、今はドラマを観ても映画を観てもボロボロ泣きます。

名作「東京物語」は何度も観ているけれど(尾道の人は何回でも観ます)必ず泣くし、なんとポニョでも泣くし、ちょっと前の「くちづけ」という映画では泣き過ぎてまともに歩けないほどで…。最近試写会で観た「母と暮らせば」もボロボロになるまで泣きました。それはそれはあっけなく、簡単に泣きます。

こんな調子では老人になったらどうなってしまうんだろう…。20代の頃は泣くとすっきりする部分もありましたが、今では泣くとものすごく体力が消耗してしまい辛いです。

さて、岡田一実さんの句集『小鳥』を読んでいきましょう。

あたたかや皺に皺ある象の尻

大きな動物の大きなお尻。

まづ光のびて生まるるしやぼん玉

しゃぼん玉の不思議。しゃぼん玉となる瞬間がスローで見えるようなところが良い。

語彙少ないし放課後レタスバーガー

僕はちなみにベーコンレタスバーガーが好きです。あと月見バーガーも好きです。

墓石の天へ長きや竹の春

すーっと墓。

うなみさなみ帽子飛ばされさうですわ

飛びそうですわ。

更衣室開けて涼しき塩素臭

そこに涼しき塩素臭。季語の使い方が面白い。

鉄骨の折られ畳まれ夜店消ゆ

夜店も祭もあっという間。

どかどかんと止まる極暑の洗濯機

頑張れ頑張れ洗濯機。リアルな句。

蝙蝠やバーテンダーの肘高く

滅多に行かないけど僕はマティーニかジントニックを飲みます。知っているものしか飲みません。

ジェットコースターがくんと重陽の海へ

僕は高所恐怖症なので、観覧車も実は怖い。あと先端恐怖症なのでペンがこっちに向いているとちょっと嫌。焼鳥の串は大丈夫。

うつくしく檸檬をぬらす島が待つ

僕は檸檬と言えば瀬戸田の檸檬。島で買うと綺麗で安くて持ち歩くと嬉しくなる。

極月のマーブルチョコが散らばつた

硬くて綺麗なマーブルチョコは今でも好き。ぱらぱらと音が聞こえそうな句。

風花やタップダンスはかうかしら

楽しい句。タップダンスが出来ればきっと楽しい。

墓石のうへに蜜柑の剥いてあり

ワオ、剥いてあり。

丸餅の丸餅が壊れてゆく怖さ

西の人間なので餅と言えば丸。もちろん壊れるのは嫌。

五月の喇叭ふるへそむるや

パポー。

僧ひとりにて渡るべき虹

ちょっと虹の上まで。

小鳥遥かに星をたのしむ

この世は楽しく、よく見れば美しい。

可愛いサイズの句集で、鞄に入れて持ち歩きやすいところも良い、オススメです。

じゃ

ばーい