オーイェ!櫻翳。

2015.10.22 ふらんす堂刊行
藺草慶子句集『櫻翳』より。

中西くんとてふこさんと三人で新宿で飲みました。

飲みながら俳句の友だちと、あーだーこーだー言いながらだらだら過ごすことは実に楽しい。

て「元木って何に対して優れてたの?」
き「得点圏打率」
て「そこ!?」

き「なんか同じ歳ぐらいで俳句の話できる気楽な人居ないの?」
な「…居ないですね」

き「◯◯さんの理想な女性像聞いたら…」
て「△△?」
き「△△!」
て「マジ、ダサ!◯◯マジダッセぇ!」

よく笑い、懐かしい思い出にしんみりしたり、ちょっとだけ俳句の話もしたり、面白かったです。

飲み会の時に、てふこさんは「マジ、ダッセぇ!」とツッコむんですが、それが実に笑いを誘っていい。

今年最も好きだった句集の一つ、藺草慶子さんの『櫻翳』を読みます。

枯れすすむなり夢違観世音

渋さと美と。いきなりこの句集を代表する一句が登場し、読者を櫻翳の世界に誘う。あぁ、法隆寺に行きたい。

息白く歩けば星の濃かりけり

頭の中が澄みきって。

水に浮く椿のまはりはじめたる

現実だけど、夢のように静かで。

枝先のふるへつつ花満つるかな

桜、いや櫻の方が似合うか。

亡き人に待たれてゐたる花の山

生まれ変わるというよりは、花の山にそのまま宿る、というような。

夏籠や杉の高きへ深山蝶

黒々と影。

うつすらと月にかたちや返り花

ぼんやりは日本の美。

魂まつり向う岸まで雨見えて

雨はこの世の境界線をゆらゆらさせる。

踊る手をかへせば闇や佃盆

佃盆は闇と触れ合うところ。

たましひも入りたさうな巣箱かな

居心地の良いところ。

夜の鏡ぽとりと火蛾の落ちて這ふ

落ちて這う火蛾のリアル。

きのふのごとく明易の庭を掃く

そして明日もまた。なんでもなさそうだけど、いや、何かある句。

火の映る胸の釦やクリスマス

ハッとさせる句。火のせいか、バルテュスを思い浮かべた。

戒名に遊の一字や百千鳥

僕も欲しい、「遊」は。

水遊びやら泥遊びやらわからなく

びちゃびちゃで楽しい。

吾もまた誰かの夢か草氷柱

草氷柱が巧い。クサくならないぎりぎりのところで逃げずに踏み込む感じが句集のあちこちから感じます。

とほるたび鏡に映り夏館

どこかが不思議。夏館の不思議。

だんだんに話大きく燗熱く

燗は地獄のような熱さでいい。ぬるいとすぐ飲み干しちゃうから。

白炎の如くに富士や夕ざくら

ゆらりと、大きく。

どれもこれも僕の大好きな世界でした。

じゃ

ばーい