大葉脈図

2015.9.1 ふらんす堂刊行
山崎裕子句集「葉脈図」より。

尾道に帰ると必ず行くラーメン屋があります。

有名でもなく、とっても普通のラーメン屋で、ペラペラの安っぽいチャーシューが乗っかっていて、スープは濃いめの醤油味。あまり体にいい味ではなく、餃子の味はイマイチ。

銀座に行列の出来るラーメン屋があり、一杯千円ぐらいするけど、確かに美味い、チャーシューも高級、そんな店があり、たまに行きます。

なぜだか、なぜだか尾道の600円のラーメンの方が美味いんだよなぁ。ラーメンは高級な味じゃない方が、また食べたくなる。

さっきラーメン食べたから書いただけなんですけど。

年内もあと少し、今年の素晴らしい句集から一冊。山崎裕子さんの句集「葉脈」を。これも今年好きだった句集です。

水槽の真中に冬の金魚かな

冬の金魚らしさ。

ばたばたと紙吹雪舞ふ村芝居

手作り感がいいですね。ばたばたがいい。

節分の鬼とひとつの火を囲む

鬼も寒い、人だけど。と思うとやはり鬼も寒かろうと思う。

ぶるぶると影ふくらます春の蠅

これもまた春の命。

かぶと虫祝詞の席へ落ちて来し

ぎゃあ。楽しいハプニングかもしれないけど、かぶと虫に触ることも出来ない僕にとってはかなり怖い。

月涼し砂漠の神が息を吐く

すー、はー。大きな句。

万緑や男らは手に鉈を持ち

逞しくあるべし。

傾いて飛ぶ冬の蝶レノンの忌

ヘルプを聴くと「何でも鑑定団」を思い出します。

蜜柑剥きたのしき話ひそひそと

可愛い程度の悪口など。

猫つまむやうに鶯餅つまむ

鶯餅「にゃっ」

あつぱれな青空鮑漁解禁

とって天晴れ。食べて天晴れ。

全校生の雑巾を干し夏休み

景がとてもよく見えて楽しい。夏休み、欲しいなぁ、二ヶ月ほど。大人にもある人にはあるのは盆休み。でも僕は夏休みが欲しい。あの無駄な、ひたしはら無駄な、そんな一日を過ごしたい。

鳥たちが次々降りて来る桜

それは居心地の良い桜。

風光る足のはみ出て団子虫

楽しく可愛い。見つけたことの喜びが出ている。ワクワクした楽しいものを見つける方法が写生だとしたら、それはとても楽しい手段。

もう一度飛ぶための息冬の蝶

じっと見守りたい、そんな冬の蝶。

魔女のやうに何でも煮込み春を待つ

ぐっつぐつ。

秋の七草風と仲良きものばかり

ざわわ、ざわわ。

土間に置く草の匂ひの盆のもの

土間によく合う、そんなもの。

天麩羅を朝より揚げて魂迎

じゅわ。朝からそんな音が聞こえたら嬉しい。

小春日のぶつきらぼうな葉脈図

あぁ、ここから句集名になったんですね。なんだか愛らしい、そんな句。

雪降つて降つて真青の神の池

ますますの真青。

魚の眼のみんな真ん丸神の留守

まさに丸描いて点。

クリオネの一生懸命卒業期

あの動き、一生懸命。

茄子を捥ぎ清潔な朝始まりぬ

さて、良き一日を。

好きな句のたくさんある句集でした。

じゃ

ばーい