昭和32.8.10 岩波書店刊行
『露伴全集』第三十二巻 より。
先日の句会の話。楓子さんがお花屋さんで様々な花を観察しながら当日の句を作っていたという話を聞いて、偉いなぁと感心しました。
楓子さんが俳句を作っていた頃、僕と敦子さんは食欲(句会は2時半から)に負けて、麻婆豆腐、餃子、酢豚をむしゃむしゃ食べまくっていました。
食べてばかりではいけない。
あ、師からこんな言葉をいただいたことがあったな。
「若い人はどんどん食べなさい」
この教えは守っています。
じゃ、露伴を読みましょう。
蓮の香に酔ふて寝まらむ親の家
ごろごろしたい。
栗の飛ぶ外に音なし庵の夜
退屈だなぁ。
門過ぐる犬見送るや秋のくれ
退屈だなぁ、しかもちょっと寂しい。
門に蔦火燗手酌に胸もみぢ
一人酒、胸もみぢ、とか、アチチとか言いながら。
傘ささで行くひともあり春の雨
濡れて行こう。
あひるにも一句よまばや春の水
これは可愛い句。アヒルより「あひる」の方がより可愛い。
柳から酔漢かほを出しけり
にゅっと。
ぬす人の昼寝をぬける蝶々哉
ぬす人もする健やかな昼寝。
蠅に吾が墨舐めさせて昼寝かな
文士的昼寝。
歯のぬけた夢の夜半や秋の風
がっくりと抜け落ちし歯よ。
清盛が金扇光る紅葉哉
豪華な、豪華な。
場末町章魚の脚打つ霰かな
場末町は渋い。タコは蛸よりも章魚。
まだまだ続きそうです。
じゃ
ばーい