昭和32.8.10 岩波書店刊行
『露伴全集』第三十二巻 より。
間村さんと竜樹さんとA子との四人で新宿はゴールデン街へ。
あーだこーだともぐもぐ食べてはごくごく飲んで、とても楽しい時間を過ごしました。竜樹さんは僕が一番好きな兄弟子で、お互い十年以上同門をやっているので、一緒に飲むと、それはそれは盛り上がります。
麒「うちの師匠、冷たくて、褒めてくれなくて…でも大好き」
竜「わかる、わかるよ、麒麟くん」
間「あははは、馬鹿だなぁ、ほら、食べなさい」
店の中で、何度も竜樹さんと熱い握手を交わしたりしながら、よく笑い、よく飲みました。
最高の夜でした。
さ、露伴を読んでいきます。
「読史餘詠」より。
張良
履ひろふ其手のさきを燕哉
太公望の兵法書をもらうあの話。そういえば、実家には横山先生の『三国志』と『項羽と劉邦』と『史記』は全巻ありました。いやー、よく買い集めたな…。
陳平
川風や裸身寒う千鳥啼く
盗賊に襲われた時のあの話。僕は張良より狡い感じのする陳平の方が好きでした。
初午やまめにはたらくなまけもの
まめになまけたい。
「十二神獣」より。
鼠
藍瓶に鼠ちよろつく寒さ哉
ちょろつくは鼠にこそ。
牛
天鳴れど地震(ない)ふれど牛のあゆみ哉
天下の牛なり。
蛇
蛇穴を出れば飛行機日和也
空のよい頃。
羊
風ぬるむ羊の髭のよごれかな
もじゃもじゃの部分は汚れやすい。
子を抱いてわれしらふなり花の春
たまにはしらふなり。
菊つくり得たれば人の初老かな
菊は大人の遊びなり。
ひとり飲む酒ごつくりと櫻かな
この句、いいなぁ。大人の男は、寂しく、美味しく酒を飲むべし。ごっくりがなんとも美味しそう。
じゃ
ばーい