黄鶴亭白鳥②

昭和46.12.10 大雅洞刊行
関根黄鶴亭句集『白鳥の春白鳥は』より。

花火を見てきました。いいですねぇ、花火は、気持ちがよくて。

そういえば、子どもの頃の花火やお花見はほとんど記憶にありません。してないことはないと思うんですが。
花火を見ながら、あぁー、あと何回花火なんて見ることが出来るのかなぁ、と32歳なのに考えてしまい、もったいない、見逃すまいと花火を真剣に見てしまいます。

けらけら笑いながら、ろくに花火も見ずにはしゃぐ子どもを見かけると、なんだかそっちの方が贅沢でいいなぁと、羨ましく思いました。

ま、子どもはお酒飲めないけど。

関根黄鶴亭句集『白鳥の春白鳥は』の続きです。

軒下に蜘蛛の囲光る大昼寝

蜘蛛はいる。

いつ覚めても蟋蟀鳴いてゐる地獄

地獄にいつもリーリーリー。

大鯉の疲れし背なか春埃

背中で語る、鯉も。

帰省子を迎ふ鯉鮒健やかに

昔からいる鯉や鮒。

金魚にパン与へてをりぬ誕生日

僕「今日誕生日なんだ」金魚「パンくれパンくれ」僕「…」金魚「パンくれパンくれ」

孤独の児泥鰌が見張る寂しい眼

泥鰌さんが見ているよ。

山深く大きな鱒を見てゐたり

山深く、来たもんだ。

まんぼう浮く水族館に春の雲

まんぼうは実際には可愛くない。イメージとしてのまんぼうはすごく可愛い。

魚の鰭涼しき夏を愛すかな

綺麗な夏を。

想ふさへ鯨優しき夏の月

でっかい愛を。

眼を細め海女に甘ゆる海豚かな

海豚はとっても海女が好き。

花のやうな殿様蛙羞ぢらひぬ

花のような、世界の。これ好きな句です。

爽やかや子が折りし鶴翔び立ちて

今回のもよく翔ぶね、上手上手。

雁や優しき人はいつも優し

そうでありたいですね。これも好きな句です。

白鳥の春白鳥は輝やけり

輝け白鳥。

茄子の花空暗きまで遊ぶ鳥

遊びの好きな鳥は誰。

夢のある句集でした。

次は何やろうかな。

じゃ

ばーい