溺るるばかり蛇笏かな①

H.28.6.25 角川ソフィア文庫

『飯田蛇笏全句集』より。

 

両国のシーボルト展に行ってきました。

仕事の都合で50分以内に見なければならず、文章等はチラ見で、工芸品等をしっかり観ようと作戦を立て、それはそれはすごい速度で観ました。

結局35分ぐらいでそれなりに満足するぐらいには観ることが出来ました。

楽しむのが目的でいつも美術館や博物館に行きますが、だいたい、ぐったりして出てきます。

よく観るのは、体力が要るみたいです。気分はスッキリするんですけどね、目が痛い。

蛇笏やります。文庫で全句集が読めるなんて、いい時代ですね、のんびりと読んでいきましょう。

わらんべの溺るるばかり初湯かな

命がぴちぴちしている。

夜をこめて東風波ひびく枕かな

目を閉じて色々思う。

口紅の玉虫いろに残暑かな

残暑にべったり感がある。

くづれたる露におびえて葦の蜘蛛

ひゃあ。小さくて美しい世界。

北風やほとけの足のぶうらぶら

この世もあの世もぶうらぶら。

温石の抱き古びてぞ光りける

ギュッと。

負馬の眼のまじまじと人を視る

馬も辛い。

旅人に秋日のつよし東大寺

行けば楽しい東大寺。

折りとりてはらりとおもき芒かな

豊かな芒。「をりとりて」でなくても確かに良いのかも。

古めきて月ひかりいづ焼野かな

絵巻の中のような月。

秋猫の目の糸ほどに恋ひわたる

閉じても開いても猫の目は可愛い。秋猫って良いなぁと。

時間がかかりそうなので、ゆるゆるやります。

じゃ

ばーい