光部さん①

2002.2.20朝日新聞社発行
光部美千代句集「色無限」

居酒屋を放浪するのがお仕事のRさんが、お酒を元気に飲み続けるために、昔やっていた山登りを再開して体力をつけています、と飲み屋で仰っているのを聞いて、偉いなぁ、さすがだなぁと感心してしまいました。

僕も元気よく、健康にお酒を飲んで生きていきたいなと。お酒が美味しく感じられる間は健康だと言えるでしょう。◯◯のために元気でいよう、の◯◯がお酒であるのは愉快だろうなと思います。

光部美千代さんの句集を読んでいきたいと思います。今日は「色無限」から。

人形のガラスの部屋も冬永し

透明で寒い。

くちびるに口紅重し雪蛍

真っ赤な。

海光に消ゆ花売も淡雪も

みな幻のように。

地にありて錨さびしき涅槃の日

どかとある。

冬晴や歩かせてゐる競走馬

最も美しい生物の一つ。

うすらひや色鉛筆の色無限

なんでも出来る。

聖金曜きききと釘を抜きにけり

ききき、ぐぐぐ。

日本に目借時ありセナ爆死

有名句ですね。嘘みたいだったセナの死。爆の字が痛々しい。

ラムネ売る片手はいつも水の中

が美味そうに見える。

難曲の楽譜まつくろ夏来る

天才の悪戯のような。

避暑夫人鍵にて白蛾はじきたる

容赦はない。

また同じ場所にもの置く去年今年

また同じ生活がある。

鶉啼くこの道を訪ふ由もなし

行けばわかるさ。

指浸けて指ふつと消ゆ冬泉

浸ければわかるさ。

今日はこんなところで。

じゃ

ばーい