きりんぽろぽろ 2

きりんぽろぽろ 1

花茣蓙の冷たさもまた郷里かな

18歳から一人暮らしなので両親は寂しいだろうなと時々は思う。

いくつかは眠れぬ人の秋灯

灯が好き、特に秋の灯は綺麗だと思う

鳥雲に入るやグースカ寝てゐたる

できた!と思い気に入っているけど、この句を見て、村上さんが「グースカとは何ですか、グースカとは!しかしあなたはどこかグースカ(怪獣)に似ていますね」と仰り、阪西さんはぬぬぬと険しい顔を・・・、僕は先輩には恵まれている。

いつもありがとうございます。

昼酒が心から好きいぬふぐり

休みの日の、朝酒、昼酒ほどの贅沢はない、やっちゃいかん事やってる感じが楽しいのだ。

途中まで鶴と一緒に帰りけり

鶴の季題が好きなのは八田木枯さんの俳句への憧れだと思う。

河豚食うと今後の事をへうへうと

波郷新人賞をいただいたお祝いとして大谷さんが河豚を御馳走してくださった、この句の出来よりもとにかく、その時の河豚は美味しかった。

初湯から大きくなつて戻りけり

僕自身がかなり酷い生活をしつつも、俳句だけは意外と健康的なのは古志のおかげかと思う。

香水や不死身のごときバーのママ

よく遊んでくださる俳人の方に連れて行ってっていただいた時の句、銀座のクラブにて二人で席題句会をやったけど(句の出来を判断するのはママさん)、優雅と言うかもったいないと言うか。

大根の上を次々神の旅

初めて清瀬市に行った時の句、大根畑が印象的だった。

小諸へと佐保姫の手をとりながら

虚子庵で句会をするために前日の夜行バスで小諸へ、闇や星を見ようと宿を取らなかった事が大失敗、四月だっけどガタガタ震えながら夜の小諸を歩き回る、深夜2時頃の虚子庵から見る星、小諸のセブンイレブンのおでんの美味しかった事、どこか山の中へずいずい入って行く寂しさ、どれも楽しかったなぁ、野宿は体に悪い。

はねあげるところ楽しき吉書かな

人からボウフラのようだと言われるぐらい字が汚いし、その事でよく説教される、何にもできない野良犬みたいな俳人の方が僕は好きだい

火取虫戦ふための本の山

読みたい本はたくさんあるけど、近頃体力が追い付かない

卓球のまだまだ続く朧の夜

中高と6年間卓球部だった、あのマニアックさがたまらない、もういいやと思い大学では合気道部に入ったら酒呑みになってしまった。うちの合気道部は女の子がみんな可愛く、卓球を辞めて良かった、ごめん卓球。

菜の花や酒饅頭を手土産に

やっぱり酒をいただく方が嬉しい

つるつるのつるの帰つてしまひけり

我スベルを恐れず

おしるこや松島は今雪の果

今年の二月、急に松島に行かなくてはと思い、会社の帰りにそのまま夜行バスに乗り松島へ、まさか三月に大地震がくるとは・・・、松島へはきっとまた行く。

鶴の句が鶴になるまで唱へけり

そんな俳人になりたい

掛軸の山河が遠し夕蛙

地震の後だからか、無意識だけど、どこか寂しい感じがする。

けふの月野菜を持参したる人

雪月花では月が一番好き、美味しい野菜も好き。

いつの間に妻を迎へし案山子かな

案山子が好き、ぼろぼろな身なりにして涼しい顔をしている、そんな人も好き。

父は我がTシャツを着て寝正月

父を喜ばそうと思って発表した句だけど父が「わしの句なんか作るな」と嬉しそうに言っていたので良かった、ツンデレ。

大根をすらすら抜いてゆきにけり

清瀬市で作った句、面白くてずっと大根を抜く様を見ていた。

福笹の鯛がおでこにあたりをり

楓子さんが鎌倉には可愛い巫女ばかりいる神社がある、と誘ってくれ、一緒に吟行した時の句、確かに巫女さんは可愛いかった。
また行こうね。

闇汁にさういうものは入れるなよ

歳時記とか

むかうとはあふみの向かう冬すすき

河野裕子さんの近江のエッセイに感動して作った句

跳び越えてうさぎの年が来りけり

ぴょん

桐の花会ひたき人のみな来る日

確か銀漢亭で作った句、飲んでるわりに素直な句

朝顔や一つの事を懸命に

なんだか優等生な句だけど、こんな句も時には詠む

惜しみなく蛙に両目貸しやらん

溶けそうなぐらいいつもリラックスしている

バッグを肩へふるさとの秋灯

いつも帰る時にはなんだか罪深い気持ちになる

パンダ見て伊勢参りへと戻りけり

パンダが題で、なぜかこの俳句が出来ていた。

初風やここより見ゆる海の街

初風は毎年実家の尾道、あ、初風か、といつもそう感じる

雀の子雀の好きな君とゐて

僕は俳句で機嫌を取ろうとする

(以上、「きりんぽろぽろパート2」でした。
次回、第三弾にしてラストは、夜23:00up予定。
西村麒麟ひとり生誕祭、もうしばらくお楽しみください。)