さぁ、祭りの始まりじゃい!
8月14日はなんの日かぁ?
相生垣瓜人先生と西村麒麟さんの誕生日でーす!
オメデトー!オメデトー!
スピカ三姉妹「気持ちだけだけど、図書券300万円分です、たくさん読んでたくさん書いてね」
麒麟「うひょ~」
クルシマ君「ゲゲゲの鬼太郎全巻です、読んでください」
麒麟「うひょ~(妖怪エッセイいつも楽しみにしています、いつか空翔ぶ方の麒麟について調べてみて欲しいな)」
U夢氏「あんパンです、食べてください」
麒麟「・・・、ありがと(句集刊行オメデトウ!)」
波郷「切れ字の秘法を教えてやるよ」
麒麟「!?波郷先生ー!!(夢に二度出た事がある)」
梓月「きりんの部屋が三度の飯より好きじゃ」
麒麟「梓月先生ー!読んでくださってるのですねー(梓月句集どなたか出しませんか?歴史的な仕事だと思うよ)」
林芙美子「あなたのような後輩を持って誇りに思うわ」
麒麟「芙美子先生ー!(高校の先輩、うん、自慢です)」
麒麟「いや~、マジ楽しいですね、瓜人先生、ケーキとか食べます?」
瓜人先生「うん、だって妄想だもんね」
・・・ね、妄想だもん、良いじゃんね、誕生日の日ぐらい何言ったってさ、ふー、寂しい・・・。
今キッタナイ部屋でゴロゴロしながら、ピザポテトをばりばり食べていると、寂しさが溢れ出そうとしてます、スピカ三姉妹に泣きついたところ、仕方がないからきりんの部屋で好きになさい、との事。
よーし、僕も28歳、親も泣く歳、なんか今日しかできない事やろう、怒られるような事、何やろっかなー。
誕生日なんだから、誰も怒るまい。
・・・よし、決めた、自句自解やる!売れてない、人気もない、お金もない、僕の自句自解、どこのアンソロジーにもどうせ入れないんだから自分で自分をなんとかしよう、誕生日なんだから。最近俳句に関係ないこと書くの好きなんですよ、そろそろ本題に入ります、自分の句と、思い出やら思う事をくどくど書こうと思います。思い出ぽろぽろ28歳さぁ出発!
書初めや鰤といふ字を書いてみる
初めて古志に載った句、稀に見る才能の無さで、半年間続けて一句欄に載った、今よりもずっと青くさかったなぁ。
若竹や素直なる事美しく
初めての古志の句会(高知支部古志句会)で出した句、多分今では絶対こんな俳句は作らない、周りの人はみな50歳ぐらい上だったけど毎月句会が楽しみだった、ちなみにこの句は特選をいただき、僕は大喜びだった、青いぜ、21歳の頃。
夕焼雲尾道は今鐘の中
小さい頃に尾道へ引っ越し、18歳まで過ごす、鐘の音が聞こえると胸がきゅんきゅん痛い。
ポケットに全財産や春の旅
大学を卒業し、当時付き合っていた彼女の実家があった伊那(井月のとこね)に住む、三月に伊那に引っ越しして、五月にフラれる、俳句と温泉と酒に溺れる日々を過ごし、やがて親に黙ってこっそり仕事を辞め、セブンイレブンでお金を全部おろして、新宿への夜行バスに乗った時、泣いたなぁ~
という話を神野さんにしたら、いつの時代よ、と言われた
春風や一本の旗高らかに
東京に来たばかりの頃、銀座のデパートの屋上の旗を見てできた句、当時靴のかかとが破れていて、段ボールを切ったものを中に入れて歩いていた、半年ぐらい警備員のバイトをする。
いつの時代よ
鈴虫や酒抜ける間を楽しみて
この句が古志に載った時、なかなか良いが酒に注意されよ、と先生に書かれる、以来僕の事をアル中と思っている人多数・・・。
青年期過ぎつつありぬソーダ水
いつまでも若い若いとちやほやしてくれるのは俳句の人達だけ、実際は違う、親は頭を抱えている。
ランボーはポケットにあり落第す
空気の良い学校に行きたいのと坂本竜馬が好きだったので高知大を選んだのだけど、学校に行ってもあまり授業に出ず、好きな教授の部屋に遊びに行っていた、ちなみに落第してないよ。
叱られぬ程度の酒やちちろ虫
最近は諦めて叱られるぐらい飲む
玉子酒なら先生も許すかな
先生から直々に、あまり飲み過ぎてはいけないよ、と注意された事がある、その時、たしか、あまり飲んでません、と答えたような気がする ・・・。
木の芽和少しの酒をうまさうに
櫂未知子さんの句会にお邪魔した時、こんなに勉強になる句会があるのかと驚いた、横に座っていた優夢氏が、「この句麒麟さんのでしょ?」と当てた時、わっ、と思った。
おでん屋のあたりまで君居たやうな
浅草のテントみたいな立ち飲み屋で最後の一人になるまで飲み続け、なぜか「兄さん、お代はいいよ」と一円も払わず帰って来た事がある。
初雪や東京をまた好きになる
珍しい大雪の中、酔っ払って電車に乗れず、朝まで浅草を歩き回った事がある、雪の東京は綺麗で好き、酔ってるので寒くもない。
冷酒の三杯目より眼鏡落つ
句会のあとの打ち上げ中に作った句、甲子園出身者の作句の速度に驚く。
ちなみに僕は半年に一度ぐらいは酔っ払って眼鏡を無くす、酔ってる時は何にも見えないのが気持ち良いのだ
誰かゐる大きな冷奴のお店
九割ぐらいの俳人とは飲み屋で出会った、卯波、銀漢亭、蕎麦屋は成富、まだ田舎へは帰れない。
梅干しがりと寂しくは無けれども
寂しいのは辛いけれど、嫌いではない
梅雨寒や手が寂しくて賽を振る
寂しさを味わうのは上手いと思う、一人っ子で鍵っ子だったからかもしれない。
寂しさも峠を越せりちんちろりん
信州時代の句、これは強がりで、あの頃は俳句が無かったらとてもモタない感じだった、俳句やってて良かった。
青梅や孤独もそつと大切に
孤独も大事で、寂しいと辛いけれど、句はできる。
さつぱりと布団の中で忘れけり
とは言うけど僕は結構女々しい
俳諧の秋はみんなでお寺の句
東大生達の句会にお邪魔した時、一発かましてやろうと思ってスベッタ句。
こぼさずにこぼるるほどに冷し酒
兄さん俳人達の句会にお邪魔した時の句、一発酒の句をかまそうと思ってスベッタ句。
村上さんが扇をぱたぱたさせながら「麒麟ちゃんも冷酒の句を作るようになりましたか」と笑顔で仰ったのが嬉しかった。
我が庭は小さけれども露の国
今住んでいるところは大変気に入っている、草の上を露の玉がころころ走るのを見ると、あぁこの街で庭が欲しい、とたまに思う。
君に貸す本の多さよ椎若葉
好きな子には男女を問わず本を貸したがる癖がある、あまり品の良い癖じゃないけど。
旅らしくなりたる旅の夕立かな
貧乏にも良い事があり、雨、風、闇、星や月等に敏感になる事、僕は夕立の中をばたばた走るのが好きである。
柿の秋どんどん知らぬところへと
柿生という町が大好きでよく一人で吟行する、柿の木を探してうろうろして道に迷う楽しさと言ったらない。
新米や大働きをするために
気分は坂本竜馬、小さい頃『お~い、竜馬』と言う漫画を繰り返し繰り返し読んだ、あの頃からへうへうとした人間が好きだったのかもしれない。
たましひの時々鰻欲しけり
この句で古志新人賞という一句に与えられる賞をいただいた、村上さんのお宅でガバガバ飲んでいる時に(毎回すみません)、その話題が出て、村上さんに、どんな句ですか?と聞かれ、この句を披露すると、みなシーンとして、まったくウケなかった・・・、村上さんは「うん、その句はよくわからないけど、おめでとう、これをあげます」と飴山實の短冊をくださった、俳句はウケなかったけど、とにかく短冊をいただいたので良かった。
この短冊は辛い時になでなでしている。
一回も負けぬ気でゐる相撲かな
負けるのが大嫌いである、でも残念ながら不器用で人ができる大抵の事ができない、それでも負けるのが嫌で、将棋、オセロ、トランプから競馬パチンコ、ギャンブルまで全くやらない、ちなみに女の子に好きだ!とか言う事も絶対ない、負けなければ勝ち、が麒麟の美学、でも勝てるものがあまりないのが辛い・・・。
爽やかな空振りを積み重ねけり
もはや爽やかとは言い難いほど重ね過ぎたけど・・・。
ご本人はきっと覚えてはいないと思うけど、岸本さんから『スケベな句』と言ってもらった句、多分褒め言葉だと思う。
凍鶴のわりにぐらぐら動きよる
上野吟行での句、句会場で神野さんに、キリン見た?と聞いたら、見てない、象を見てた、と言われてガックリした、キリンの句も作って欲しいと思った(最近一句あったね)。
飛び跳ねて鹿の国へと帰りけり
鹿も好きで、トリビアの泉で『馬と鹿とどっちが馬鹿か』の実験に使われたとか言う鹿に会いに行った事があるぐらい、ちなみにちっともなつかなかったけど・・・。
いつまでも死なぬ金魚と思ひしが
小学生の頃金魚を飼っていて、毎朝餌をあげてから学校に行くのが日課だった、その金魚が死んでしまったのがショックでそれ以来生き物を飼った事がない、ちなみに犬も猫も鳥も魚も大好きです、ノニノニが非常に気になっている。
上野には象を残して神の旅
象やカバと言ったデッカイ動物をいつまでも眺めるのが大好き
月光へ再び鮎を返しけり
師匠が上機嫌で褒めてくださったので気に入っている句、ちょっと綺麗過ぎるのであまり人に教える事はない句でもある。
節分の鬼の覗きし鏡かな
父の誕生日は節分の日、今は甘いが僕が小さい頃は味噌汁をぶん投げるぐらい怖かった。
水澄むや魚はかはいさうに死ぬ
魚が大好きでひらひら泳いでいる様子はとても癒される。
水族館が大好きで、生まれ変わったら海月になりたい。
一人は寂し鹿が立ち鹿が立つ
みんなは何にも言ってはくれないけど、僕は気に入ってる句、学生の頃、動物占いというのが非常に流行り、僕は『正直な子鹿』だった。
冬夕焼象が帰つたので帰る
上野の主役はキリンと言いたいところだけどやっぱり象かパンダかな
象のする大あくびこそ年忘れ
やはり象も好き、ぱおんと言う声が聞きたいがなかなか鳴いてくれない、目が優しいとこが好き。
安心の馬にもありて肥えにけり
馬も好き、ちなみに句会の時に、先生からこんな句が50句並べば良いんだが、と言われたけど、50句もこんなボケボケした句を並べるわけにはいかない。
初氷あちこち猫のゐる街に
尾道はあちこち猫がいる、しかもみんな可愛い。
冬帽や君昔から同じかほ
昔からの友達は今や非常に少なく、その分田舎で会うと嬉しい
坂の町尾道の子へお年玉
尾道が大好きだけど、やはりまだ帰るわけにはいかない、故郷は遠くにある方が絶対良い。
江ノ電に綺麗な梅雨のありにけり
江ノ電が大好きで乗ると嬉しくなってしまう、波郷新人賞をいただいた20句のうちの最初の一句でもある、その時の20句は、江ノ島から始まって伊東、城ヶ崎の松本たかしの句碑と墓を巡って、今住んでいる町に帰ってくるという流れになっているんです。で、たかしの墓参りの句では申し訳なくて受賞後に波郷の墓を訪れました。
桔梗のつぼみは星を吐きさうな
突然電車を降りたくなって、ふらっと瀬戸神社を訪れてできた句。
とびつきり静かな朝や小鳥来る
小鳥が来るぐらいの幸福が良い。
働かぬ蟻のおろおろ来りけり
そんな蟻が僕には愛しい
さて秋の燕のやうに帰らうか
城ヶ崎で作った句、秋なのにあまりに暑くて、トイレで頭から水を被ったのが良い思い出。
永遠の田園をゆく冬の蝶
朝起きて急に日光へ行きたくなり、電車がなかなかなかなか着かず、疲れきった時にできた句、朝突然どこかに行きたくなる事が多い、そして会社も突然休む事が多い。
(さて、西村麒麟ひとり生誕祭「きりんぽろぽろ」、いかがでしたでしょうか。
西村麒麟アンソロジーが出来上がりつつあります。
第二弾は昼11:00up。乞うご期待!)
3 thoughts on “きりんぽろぽろ 1”
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