セレクション柳人3『石部明集』
2006.10.30邑書林発行
本棚にある川柳の雑誌は「バックストローク」に「MANO」それに「川柳カード」ぐらい。「川柳カード」の石部明追悼を読んでいたら読み返したくなったので、今回は石部明さんをやります。
中学か高校か忘れてしまったけれど、教科書に載っていたボードレールの詩を読んで、なんだか「これだ!」と思って色んな詩集を買ったりしました。18の頃に町の本屋さんで山頭火の句を立ち読みして「僕の事が書いてある!これだ!」と俳句に興味を持ちました。
いやー、恥ずかしいなぁ、若いって良いねとか言われても、若いなんてのはただただ恥ずかしいだけの年代なんじゃなかろうかな…と、思うのもまだ若いからなんでしょうね。
石部明さんの川柳なら、偶然立ち読みをした誰かを「あっ、これだ!川柳をやろう!」と感じさせるんじゃないかなぁ。
実際の死は決して綺麗なものではないんでしょうけど、どうして詠む時の死ってきらきらしているんでしょうかね。今、休み無く10連勤ぐらいしてますので、死が妙に静かな沼のようにきらきらと感じます。
あ、あと80年ぐらい死なないですよ、ご心配なく。
では、石部明さんの川柳を読んでいきましょう。
琵琶湖などもってのほかと却下する
そこをなんとか!ちなみにいきなりですが僕がもっとも好きな句の一つはこれです。
間違って僧のひとりを食う始末
ごめん←間違った
死んでいる馬の胴体青芒
美しくて静かで、やっぱり怖い
さびしくて他人のお葬式へゆく
とても優しい句。僕はさびしい時はよく歩いていました、暗い路に少しだけ灯りがあるところがいい。まっくらでも明る過ぎても嫌。
記憶にはない少年が不意にくる
カツオ!?いや違う。
からからと笑う勇気がいまはない
軽くいやらしくなく笑いたい
何年もかかってやっと木を倒す
頑張った。誰も見てなくてもなんか偉い
駅裏でふっとよろける仏さま
綺麗な笑顔というものがある、たとえば仏さまとか。
逃げのびた町の大きな仏壇屋
仏壇というものが結構好きだ。黒くて大きくて、やっぱりこの世の物じゃないみたいで飽きない。
ぐっしょりと濡れて帽子が帰ってくる
帽子「いやー、びっしょびしょで、まいったよ」
麒麟「あらあらあら」
揺さぶれば鰯五百の眼をひらく
カッ
打楽器の一個ふらふら渚まで
ふらふらが可愛い。少し疲れているぐらいがいい、そのふらふらじゃないかもしれないけど
老人がフランス映画へ消えてゆく
メルシー、おじぃちゃーん
折鶴のほどかれてゆく深夜かな
中に飴とか入っていたり
にこりともしない少女と船燃やす
麒麟「楽しい?」
少女「別に」
こんな少女に黒飴とかあげて仲良くなりたい
眼病に効くおそろしい色の草
そしておそろしい老婆がくれる
ななめになっているのは父か酢昆布か
父酢昆布
親戚がきて苦しめているさくら
自分も観光客なのに、さくらに人が群がるのがすごく嫌いです。スマホで写真を撮ると一回分さくらが痛むような、いや僕も撮ったりするんですけど…。
さてと、会社行くかな
ばーい