祝『鳥獣の一句』

鳥獣の一句

ふらんす堂HPで奥坂まやさんが連載していた『鳥獣の一句』、楽しみに待っていたのが、一冊になって出版された。動物が詠まれた句、自分で作るのも人のものを読むのも好きなのだが、これはまだ他者への同期能力が低いことを意味しているのだろうか。(植物や無生物、地球などに比べたら、動物は人間の似姿だから。まやさんのこの本でも、ちょいちょい人間の句が出てくるのがユニークだ。)

the古典の「古池や~」から、富澤赤黄男のホロホロ鳥、もちろん現代俳人の作品まで、幅広い収集。加えて、まやさんの、ときには生物学的に、ときには文学史的に読み解く鑑賞の分厚さも魅力だ。橋閒石の「鴉啼く砂丘にて懐中時計止まり」なんていう句もある。これは、阿部公房の『砂の女』と絡めて鑑賞が書かれていて、納得至極。私も、一句選んでいただきました(謝)。

食べて寝ていつか死ぬ象冬青空  紗希