「光ほど」 神野紗希

「光ほど」 神野紗希

イヤホンを外して鈴蘭に触れる
子猫より小さしよ鈴蘭の鉢
汝に似て指長き嬰くずざくら
化石にも心臓ありぬ夜の薔薇
夏至夕べ野に草霊の呼気満ちて
あかときの寝息そらいろ愛涼し
指歩む蜘蛛は軽しよ光ほど

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