「炎帝」 野口る理

「炎帝」 野口る理

炎帝に嗅がれ瞼のひくひくす
草笛でありし草捨てらるる道
夏もごろごろ舌うすき犬の息
征服すビーチパラソルの下から
溺れる坊主掬ふ手を夏の風
スプーンを知つてバナナの黒さかな
朝顔に綴ぢられてゐる合図、さあ

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