「冬野」 江渡華子

「冬野」 江渡華子

冬野から電話や耳の冷えてゆく
いたち死に夜はしづかに明けにけり
中央線遅れて11月はじまる
首はなれゆくマフラーの青さかな
日向ぼこの頬しろく触れゐたる
冬野へとしばらく影を捧げたる
バスケットボール受け取る冬野かな