「解夏」 江渡華子

助手席の葡萄深々休みたる
法廷に人入らざる解夏の椅子
身に宿るまで名月を浴びにけり
知り合いの増えて寂しき衣被
母噛みしりんごかすかに固き音
新酒つぐ花より赤き唇や
休日の無風の部屋よ鈴虫よ

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