「声」 野口る理

万物が仔犬の相手する秋ぞ
秋草や空の育む雨の声
こほろぎの記憶に残る君であれ
金風や先客然として窓辺
俎に占地小さしよぽつぽつ取る
寺は今栗焼く音を聴く日向
命めくテレビの裏や冬近し

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