2013年8月18日

やっと目が合うようになり秋ですね

石田波郷新人賞では、受賞する俳句は有季定型かつ文語であることが望ましいと審査員が述べている。句の並びも春夏秋冬というだけでなく、初秋・晩秋などがきちんと順番に並んでいるのが当たり前なのだ。

俳句をはじめて10年、100句詠めばその9割以上が文語だが、それでも時々ふと口語で詠みたくなって遊び心を出している。周りの小学生や初心の高校生は口語も多いが、続けてくるとやはり文語のものが多くなっているようである。

口語の楽しいところは、形やルールにこだわって何だか同じような句ばかり詠むようになってきた時、素直な自分の思いを吐き出せるところだと思う。「や」「かな」という切れ字を使う代わりに「あっ」「~なんて」と感嘆詞を使っている句を見て、なるほど口語俳句も新鮮だと感じたこともある。

特別支援の場では「言葉は短くはっきり分かりやすく」が基本で、俳句について説明を求められた際、教科書に載っているような「季語があって5・7・5で~」なんて説明していると、即座に「先生分からん」と言われてしまう。そんな時、○○ちゃん、さっき「あ、晴れた。先生今日はプールしよ」って言ったよね?先生は「あぁ、夏になったなぁ」って思ったよ?それが俳句だよ。なんて答えたりもする。

更に色々な口語俳句を見ていると、文語と口語が混ざっているのに成功しているものが希にある。

そこちよつと直したきうぐひすのこゑ 正木ゆう子

口語の句に、気にならない程度に文語が混ざっているような作りだが、リズムよく景もすっと受け入れられる。初音なのか老鶯なのか少しずれたこゑがもどかしく感じるのも、文語が混ざることでより際立っているように感じる。

基本を押さえた俳句作りも大切だが、それを踏まえた上で詠む口語俳句は興味深いものである。