2013年11月8日

花冷えや母の匂いの貝釦

米国在住中の最大の出来事の一つは何といっても俳句との出会い。あれは2002年5月、前年に世界を震撼させた米国同時多発テロを身近に経験し、それに続く仕事の経営難克服のための嵐のような日々が過ぎ去ったある日、ふと訪ねた詩歌のウェブサイトにて、まずは連句、そして短歌、ついに俳句と出会う。創作の喜びは生きる喜び。渇いていた泉が湧き出した。かくしてささやかではあるが大切な俳句生活が始まる。今日の一句はネット句会の作品から。

2003年からは総合誌への投稿も始める。日本の発売日から時には10日以上遅れて届く郵便を心待ちにする日々が始まる。選を頂いた句からいくつかご紹介。

永き日の動物園のしっぽかな   ぽぽな

誘蛾灯男に渡す白封筒   同

秋気澄むああパラシュート開かない   同

スケートの少女回転して終わる   同

すこし視界が開けたかと思うとまた霧立ちこめる俳句の旅路。その魅力にぐいぐいと引き込まれる内に、自分の俳句の行く先をじっと見守る目の存在が欲しいと思うようになる。自分にあった結社はどこだろう。