2014年9月1日

するすると眠たくなりて木の実かな

 母が産気づいたのは那覇まつりの花火を見ている時だったという。
 今でも遠花火を聴いたら、生まれるときの緊張感を思い出す、なんていうことはない。胎内で聴いていたはずの心音を聴いたら安心するか、ということもない。
 むしろ、きみの胸に耳をあてて心音を聴いていると、怖くなってくる。こんな小さなものが、ずっと動き続けていることが信じられなくなってくるから。