土竜来てわれを誘へり虚空まで
土の竜と書いて「モグラ」と読む。
なかなか勇ましい名前じゃないかと思っていたら、
「土竜」とは本来「ミミズ」のことを指すらしく、
近世以降に漢字の誤用が起こり、土竜=モグラとされたらしい。
また、モグラは常に餌を食べていないと生きていけないらしく、
たった半日何も食べないだけで餓死してしまうらしい。
考えるだに怖ろしい・・・
モグラに生まれなくてよかった。
生きたモグラを見たことはないが、
幼い頃、地元の集会所へつづく広い畦道を歩くとき、
何度か死んだモグラを見かけることがあった。
絵本やアニメでしか見たことがない動物が、
すっかり息絶えて、小さな体を横たえているのを見止めて、
少なからず重たい気持ちになったのを今でも覚えている。
以下、土竜の登場する句をいくつか。
白露に薄薔薇色の土龍の掌 川端茅舎
冬山に土龍の齢たづねけり 田中裕明
戀びとは土龍のやうにぬれてゐる 富澤赤黄男