夜濯の柔軟剤の薄みどり
二風谷、アイヌ語で「ニプタイ」、木の生い茂るところを意味する。その名の通り森に囲まれた二風谷の資料館前には、チセ(家)が復元されていた。そのチセの中で、鶴を真似て踊るサロルンリムセ(鶴の舞)や、ユーカラ(叙事詩)を聴いた。文字を持たぬアイヌ民族は口伝えに物語を伝えてきた。その独特な声色やリズムは不思議と体の芯に響く。
洗濯を終え、色あせたサンダルにぺたりと足を乗せてベランダに出る。いつまでも夜が降りてこない東京の街で、今も口ずさむことができる。
チュプカ ワ 東の空から
カムイ ラン カムイが降りてきて
イワニ テッカ オレウ アオダモの枝にとまる
イワ トゥイサム 岩山のはたに
エ タンネ マウ 長い声の響きを
アノウ 聴いた