2015年6月20日

ががんぼの終着点として窓辺

スニーカーの踵をつぶして、ストーブにくべる薪を取りに外に出ると、ざあっと山から風が降りてきた。早く家に入らないと、帰る場所が分からなくなってしまいそうな強く冷たい風だった。

その夜は、アイヌの歌を習ったり、タロットカード占いをしてもらったりして過ごした。布団に入っても、レラさんの家で暮らしている同い年の女の子とずっと話していた。「死んだひとがいく世界は、ぜんぶが反対なんだって。上も下も逆なんだって」そんな話をしながらもいつの間にか眠りについていた。

真夜中に、外からの甲高い鳴き声で目が覚めた。女の子が「鹿だよ、よく鳴いてる」という。それから何度も鳴き声で目を覚ました。真っ暗闇に響き渡る鹿の鳴き声。体を小さくして布団に潜ると炉の煙の匂いがした。目を瞑ると、駆け回る鹿が見えてくるようだった。