2015年6月27日

山脈を跨ぐつもりでいる毛虫

写真0627

朝の気配に目を覚まし、こっそりと布団を抜け出した。鹿と出会った山を登ってみることにしていたのだ。
草木は朝の冷たい空気を湛えていて、その間にすべり込むように歩いた。落ち葉の上に丸い水滴が光っている。小川が流れていて、澄んだ音をどこまでも運んでいる。まだ時間の経っていない獣の足跡は力強かった。見上げると真っ青な空を濡れた木々が触れている。全ての生きものが息づいている。