2015年6月28日

夏の川のぼれば果てに届きたる

写真0628

山の上の方から朝は始まっているようだった。木々の間を抜けると、明るい光の中に出た。登りきって振り返ってみると、遠くに山のうねりが続いていた。その手前には、二風谷ダムが広がっている。生きものは流動していくものなのだと思う。その中で、巨大なコンクリートで塞き止められたダム湖は悲しみの器のようだった。
あまりに空と大地が広いので、わあっと大きな声を出してみると、身体の中の暗い色が遠のいて、明るい色が濃くなっていく気がした。空を仰ぐと、青さの合間からこちらを伺うように薄い月が残っていた。