2015年7月21日

台湾の雲なる夏の逝きにけり

東大俳句会でれなりん(美人の先輩)に会った。彼女に「スピカにわたしのことも書いてよー」と頼まれたことは11日の記事で書いたとおりである。あそこで名前は出したので義理は果たした気になっていたが「もっと大きくとりあげてよー。あんなんじゃ足りないよー」と言ってきた。なんと欲張りな。可愛いぞ。

れなりんはぴっちぴちの女子大生である。東大俳句会の先代幹事。

気配りが上手で優しいこの先輩のことを書こうとしたらだいたいおれが一方的にお世話になったエピソードになる。おれの正体が鶴ということもないのでそんなことは書いても仕方がない。あとはだいたい真面目な話をしているのでやはりここに書くようなことでもない。

ずっと無所属だったが何か月か前に「南風」に入った。だからさいきんの彼女の話題は専ら東京例会における鞆彦さんの胸キュンエピソードである。

「南風」に入った話を聞かされたとき、一緒にいた凱君と二人で挨拶句を作った。

凱「南風に入るれなりん……」
おれ「無季にしよう。意味のなさそうな言葉。地名がいい」
凱「茗荷谷」(れなりんはお茶女なのである)
おれ「南風に入るれなりん茗荷谷」
凱「いい句だ」
れなりん「よくないわ!」

あとでこの句をサトアヤさんに話したら「南風に入るれなりん南風」に直された。同じ字面の繰り返しを恐れない度胸に本格を感じる。意味のなさそうな地名を入れるよりよほど馬鹿馬鹿しくていい。平成俳句史に残る名添削である。

せっかくなのでインタビューでもしようかと思い立ち、東大俳句会の帰りの電車でれなりんにLINEを飛ばした。

おれ「スピカ「つくる」れなりん特集号いえーい」
れなりん「いえーーい」
おれ「面白い話してくださいね」
れなりん「わたしの話をおもしろくするのがほりりんの仕事でしょ。仕事放棄~」
おれ「何の話しますか」
れなりん「へたくそか!!」
おれ「へたくそですよ」
れなりん「電車で向かい合ってるおじさんの背丈が理想的で抱き付きたい衝動をおさえている……とかは書いちゃダメだよ!」
おれ「ダメなんすか!?」
れなりん「俳ドルだもん……」(註:れなりんは俳句アイドル略して「俳ドル」を自称している)
おれ「清廉潔白なんですね」
れなりん「すぐクレーム来るからたいへんやねんで」
おれ「そんなにファンがついてるんですか」
れなりん「ええ、ほりりん割と熱狂的なファンだと思ってた!!」
おれ「おれは大ファンですよ♡ れなりんのいる句会と聞けば駆けつけます♡」
れなりん「きもい!!」
おれ「ファンは大事にしないと」
れなりん「ツンデレ俳ドルだからさ。塩対応だよ。流行ってんじゃん」
おれ「その路線だったのは聞いたことがない」

(岸本さんの話をしていて)
おれ「れなりんが選ぶ☆岸本さんの萌え仕草!」
れなりん「清記用紙回してるときに句ができて、句帳を取り出して、なぜか机の上に置かず書きにくそうに書いてるのが好き」
おれ「萌えですね」
れなりん「萌えだよね」

れなりん「ひと盛り上がりしたし書けるやろ」
おれ「え、これでいいんですか」
れなりん「何をどう書くかはほりりん次第だよ」
おれ「もっとスリーサイズとか聞きたかった」
れなりん「いいよ聞いて」
おれ「スリーサイズ教えてください」
れなりん「バストはE70だから自分で調べてくれ。ウエストは細くないけど骨盤が広いからつまりヒップが大きいのかな? わりとくびれてるように見えるよ」
おれ「鼻血ぶー」
れなりん「こんど一緒に海行こうね!!」
おれ「海いきたーい」
れなりん「プールでもよいよねー! いこいこー!」
おれ「みんな誘いましょう」

就職もきまったれなりん。社会人になってもよろしくね。